◆200万人以上が死亡か
「苦難の行軍」という言葉をご存じだろうか?
1995年からの数年間、社会混乱が広がった北朝鮮では、膨大な数の人が飢えと病と寒さで命を落とした。経済失政に加え、冷戦構造の崩壊によってソ連、中国などの社会主義圏から支援が途絶えた北朝鮮は、絶対指導者の金日成の死が引き金になって、あらゆる社会機能が麻痺した。食糧配給制度が崩壊して、都市住民を中心に短期間に大量の死者が出た。筆者は200万人以上が命を落としたと推測している。
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この朝鮮史上最悪の飢饉のことを、北朝鮮では「苦難の行軍」と呼んでいる。
その時、北朝鮮はどんな様相を呈していたのか? 何人かの勇気ある北朝鮮人が密かに撮影した映像が、この時代のほぼ唯一無二のビジュアル記録である。
戦後闇市世代の作家、故藤本義一さんがその映像見た後、筆者に語った一言が忘れられない。
「この少年少女の目は野良犬と一緒やね。ずっと地面を見てる。何か食べるものが落ちていないか探しているんです。日本の戦後闇市の子供たちも同じ目をしていました」(石丸次郎)
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ソバを食べ終わった男性が残り汁を少 女の持つビニール袋に入れている
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