◆農民の男とは結婚しない
北朝鮮の女性にインタビューする機会があると、しばしばこんな質問をする。
――とても優しくて働き者で美男の農村青年と、性格が悪くて見栄えもぱっとしない都市の労働者、結婚するならどちらがいいですか?
【写真特集】 秘密カメラが捉えた農村女性たちの哀しい姿(10枚)
これまで何十人の女性に訊いてきたが、全員が都市の男がいいと答えた。理由は明快、概ね次のようなものだった。
「農場員と結婚するということは、自分も農民になるということ。つまり死ぬまでずっと真っ黒になって働く貧乏暮らし。すすんで農場に入る女性なんていませんよ。都市の男なら、嫌いになったら離婚して、商売して一人でも暮らしていける」
では、農村女性に都市に出るチャンスはないのか? 北朝鮮に住む取材協力者に訊いてみた。
「労働者と結婚して『都市住民』になるケースもないわけではないが、きわめて稀。男の方でも貧しい農場員の娘を避けようとする」 (ユ・ミンテ)
次のページ: 農繁期には都市の女性も作業に動員される... ↓
1 2