北朝鮮の人々がもっとも憐れみ、また蔑み、もっとも辛い職業だと口を揃えるのが協同農場員である。
軍隊、平壌市民、警察、官吏、軍需産業労働者ら、国家が優先的に食糧を配給する組織と地域のために土地を耕すのが任務だ。規定のノルマ超過分が農民の取り分となるが、設定されるノルマが高過ぎて、構造的に貧困から抜け出られなくなっている。
生産物をずっと国家に収奪されながら、職業を変えることも、都市に移り住むこともできない。農村に生まれれば、子、孫、ひ孫の代まで協同農場員だ。例外は女性が都市男性と結婚した場合くらいだ。
実質的な身分制が北朝鮮には今も存在する。(石丸次郎)
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