◆空腹で脱走する子供たち
国連安保理による経済制裁で沈滞が続く北朝鮮経済。商売不振で困窮する人が増えている。8月初旬、咸鏡北道と両江道の都市部に住む取材協力者に聞いた。(カン・ジウォン)
【写真特集】金正恩時代のコチェビ 女子中学生くらいの少女が市場徘徊 (10枚)
――コチェビ(浮浪者)に転落する人は出ていないのか?
「市場に行ってもコチェビの姿はあまり見かけない。当局が取り締まるからだ。市場をホームレスの子供がうろついていると、すぐさま捕まえて『中等学院』という孤児院に送る。そこから逃げ出した子供たちがたむろしているのを見かけるが、やはりすぐ捕まっていく」
――生活に窮した大人はどうなのか?
「清津(チョンジン)市や会寧(フェリョン)市などでは年寄りの姿が目に付く。でも、人情がすっかり薄くなってしまい、物乞いをしても施す人はあまりいないのです。昼間はリヤカー引きをして、晩はそのリヤカーで寝ている人がいる。コチェビ同然です」
両江道(リャンガンド)の協力者は次のように市場の様子を伝えきた。
「子供のコチェビを捕まえて『中等学院』に入れても、すぐ逃げ出してきます。トウモロコシ飯を少し与えるぐらいなので、お腹が空いて逃げ出すのです。たくさん食べたい年頃だから我慢できない。市場で物乞いしている子供が増えました」
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