河川整備に動員された女性たちが石を集めさせられている。2013年6 月に北部地方都市で。撮影「ミンドゥルレ」(アジアプレス)

◆奉仕という名の強制労働

北朝鮮では住民を対象にした無報酬の労働動員が制度として定着。その主力として駆り立てられるのが女性たちだ。

男性は多くの場合、職場から動員されるが、女性は「家庭の主婦」であっても、人民班という住民管理をする行政組織や、主婦を対象にする「女性同盟」を通じて、奉仕労働に頻繁に駆り立てられる。家計を支える商売や子育て、家事に日々忙しい女性たちには不満が強い。
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この8月初旬に通話した北部地域に住む女性は、「もううんざり」だと、次のように最近の事例を述べた。

「最近は毎朝なんですよ。主に道路の清掃と保守に動員されています。出勤時間前の6時半から8時頃までです。『全世帯が無条件に人を出せ』と、月初めの地区の会議で命じられました」

北朝鮮の地方都市の道路はほとんどが未舗装だ。一度雨が降るとすぐにでこぼこになる。土を運び平らにする保守が欠かせない。冬は車のタイヤを痛めないよう氷を割る作業をする。

動員を休むと人民班の会議で、皆の前で厳しく批判される。
「なぜ出て来ないのか、党への忠誠が足りないと罵倒されます。それが嫌で仕方がない。金持ちは幹部に金を渡して参加したことにしてもらうのに」
と嘆く。

他にも、女性たちは農繁期の草取りや田植え、街の清掃、河川改修などにも駆り出される。すべてタダ働きだ。

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