中国人男性に嫁ぎ子供も生まれたのに逮捕送還された女性。収監された教化所では死者続出だったと証言した。再脱北後の2008年9月に中国延辺にて撮影アジアプレス

 

陳述書には名前、生年月日、親戚、履歴、脱出目的、経路、中国での生活を日ごとに時間単位で具体的に作成しなければならない。陳述過程に疑問点が出た場合、肉体的苦痛を与えるのは日常のことだ。陳述書が仕上がれば手錠をかけて人民保安部の拘置所に護送する。

政治警察である保衛部庁舎にも拘置施設はあるが、送還されてくる難民たちがあまりにも多いため、罪が厳重な場合を除いて人民保安部の拘置所に監禁する。

取り調べを待つ間、監房の中で一日中あぐらに両手を膝の上に乗せた姿勢を崩すことは許されない。もし勝手に動いたところを看守に見つかれば、鉄窓から手または足首をつき出させて木の棒で叩く。

そしてシラミや蚤、南京虫とも格闘しなくてはならない。運良く運動の時間を30分でも与えられれば皆真っ裸になってシラミ取りに余念がない。

大小便も看守に許可を求める。例えば、

「先生!4号の監房222号、おしっこしていいですか?」

と、いちいち許可を得なければならない。(続く15へ >>)

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