◆数百人の住民を集合させて
北部の両江道恵山(ヘサン)市で、占い師と麻薬(覚せい剤)常習者を群衆の前に立たせて罪悪を暴露する「群衆暴露集会」が開かれた。しばしば行われる「公開裁判」ではなく、見せしめを目的とした集会のようだ。(カン・ジウォン/石丸次郎)
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その異様な集会が屋外で開かれたのは10月2日、場所は恵山市中心にある恵山競技場だった。午前九時、地区の住民組織と工場などから動員された群衆200~300人の目の前で、「群衆暴露集会」と名づけられた集まりが始まった。
その場にいた恵山市の住民は次のように証言する。
「迷信行為をした7名と麻薬犯罪者8名が連れ出されてきて、まず一人ずつについて罪状を説明しました。そして、中佐の階級章を付けた保安員(警察官)が、『犯罪行為をした者は相応の対価と法的処罰を受けなければならない』と演説しました」
後日、この「群衆暴露集会」の詳細を聞いた恵山市の取材協力者によると、迷信行為で群衆の前に引きずり出されたのは占い師だという。
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