◆アスベスト含有の端材投入


上記の「石綿無含有建材一覧表」はアスベストを一切含まない「ゼロアス」製品を区別するために作成したはずだった。

だが、実際には違った。意図的ではないにせよ、実際にはアスベストを含有する製品を「アスベスト含有なし」の製品として紹介していた。

同協会は「(一覧表の作成は)およそ10年前のことであるので、前述4条件を厳密に判断する証拠が乏しいことなどによりメーカーの情報と異なる場合がある」(提出資料より)などの理由から、20163月に公開を中止した。当時の製造管理の状況の詳細がいまになってはわからないため、上記の4条件が本当に守られているか判断できないのだという。

元大手ゼネコン関係者はこう明かす。

「この一覧表が最初に公表された際、アスベスト含有の製品が『無含有』として記載されていて、信用できないデータだとすぐ協会に指摘したことがあります」

公表段階から「信用できない」と指摘される資料だったというのである。JATI協会のウェブサイトにをみると、この一覧表は何度も「更新」の末、20163月に公開中止されている。

「アスベストを一切含まない」製品として販売しているにもかかわらず、製造過程でアスベストを含有する端材を投入したり、アスベストを含有する可能性のある材料をろくに調べずに使ったり、前日にアスベスト製品を作ったのと同じ設備を使って製造して設備に残ったアスベストを結果として混ぜてしまったり……。

「無石綿とあっても(本当に無含有か)わからないと思います」「メーカーに聞いても0.10.2%(の低濃度のアスベスト含有)とかはわからない状況です」と浅見氏が認めるように、きちんと管理などされていなかった。

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