◆マニュアル記載で石綿飛散も
とくに問題なのは「石綿無含有建材一覧表」は2013年3月以降、厚生労働省の「石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアル」でも採用され、事前調査の際、この一覧表に記載があれば、分析せずにアスベスト「なし」と判断してよいとされていたことだ。
2016年3月末の同マニュアル改訂でこの記載が削除されたが、それまで約3年間、アスベスト「なし」を判断する基準の1つとなっていた。その結果、実際にはアスベスト含有だったにもかかわらず、適正な対策なしに解体され、周辺に飛散する事例もあったはずだ。
いい加減なデータを公表し続けて現場に混乱をもたらし、アスベストを飛散させる原因を作ったJATI協会の罪は重い。