昨年のトランプ氏との会談実現で、不人気だった金正恩氏の評価はV字回復した。2018年6月13日付けの労働新聞より引用。

◆もう期待しないという民の声

ベトナムのハノイで、二度目の朝米会談が始まる。世界の耳目が金正恩―トランプ談判の行方に集まっているが、当の北朝鮮の人々に聞くと、成果に期待する声はほとんど聞かれない。昨年の一回目の会談に比べ関心も低調だ。なぜなのか? (カン・ジウォン)

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「金正恩元帥の偉大な外交術で大国と渡り合った我われは勝利する」

昨年一年間、北朝鮮の人々がさんざん聞かされた当局者のセリフである。2018年、金正恩氏は、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領、中国の習近平主席と三度ずつ会談し、「不倶戴天の敵」であった米国大統領との会談も実現した。

これで我が国も変わる、まともな暮らしができると、北朝鮮の住民たちは、首脳外交を強く支持し、期待した。だが、時が経つにつれ、それは失望とあきらめに変わっていった。経済制裁の影響で暮らしが悪くなる一方だったからだ。

「去年、あれだけ会談をやったのに、まったく変化がありませんでした。皆、すごく期待したんですよ。でも、何も良くならなかった。もう、期待なんて捨ててしまいましたよ。金正恩も国も、何もしてくれない。配給を待っていたら飢え死にしてしまう。自分で稼いで生きて行かなければならないということです」

北部地域で手広く商売を営む40代の女性は、いまいましそうにこう語った。経済制裁で日々打撃が増している中、変わろうとしない金正恩政権を嘆いてのことだろう。
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