「会談はダメだった。米国の奴らは、我われの暮らしが良くなるのを見たくないのだ。そもそも会談に期待したのがバカだった」
この幹部はこのように米国を非難しつつ、当局の「失敗」についても、次のように不満を露わにした。
「核こそが我が国の最高の利益なのに、それで取引しようとしたのが間違いだ。むしろ、核で米国を脅かす方がましだったのではないか」
協力者によれば、他の行政や党の幹部たちも会談結果について知っているようで、「金正日の時にはミサイル実験をやって米国からコメ支援がたくさん入って来たのに、今回はダメだった」と落胆していたという。しかし今は、当局への不満や米国非難を強い表現でするのは自制せよという雰囲気だという。
一方で、金正恩氏が帰国した後、今後の中国との貿易の見通しや、政府の新たな措置があるのかについて関心が高く、特に国内で建材、自動車部品のビジネスをしている者たちは、税関員などから情報収集に余念がないのだそうだ。
7日時点で、北朝鮮国営メディアは朝米協議を金正恩氏の成果として伝えている。
国連安全保障理事会の決定による経済制裁で、2018年の北朝鮮の輸出は前年比で約90%減少。貿易会社、平壌の富裕層に大きな打撃が出ている。
※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。
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