◆強く反発する若者の小さな抵抗
統制の強化に対して、若者たちが強く反発しているようだ。韓国や中国の映画、ドラマを見て外国のファッションを知っている若者たちにとっては、それを模倣して装うのは、ささやかな自由への挑戦だ。取り締まりを避けるために、夜になってからお気に入りの服を着たり、整髪料を使ってヘアメイクして外出する若者が少なくないという。
一方、「糾察隊」に動員された者たちは特権をふりかざして、少しでも目に付く装いをしている人を片端から検束しているとして、協力者は次のように述べた。
「『糾察隊』に動員されている者たちの目的は賄賂をたかること。ストレートズボンを履いていて捕まった知り合いの女性は、ガソリン2キロを出す約束をしてやっと解放された。タバコ、ガソリンなどの要求は当たり前になっている。
かつては期間を定めて集中取り締まりをしたが、これからは取り締まりを常態化させるのだそうだ。『非社会主義的』行為を、北朝鮮式良序からの逸脱というレベルから、敵対行為とみなすことになったと言われている。住民の不満は非常に強い」
金正恩政権が社会風紀の取り締まりに熱を上げているのは、昨年来の韓国との融和ムードの中でも、韓国の文化や情報を許容しないことを国民に警告することが目的だと考えられる。(カン・ジウォン)
※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮内に搬入して連絡を取り合っている。
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