◆アフリカ開発会議(TICAD7)が横浜で開幕
8月28日、第7回アフリカ開発会議(TICAD7)が開幕した。1993年に日本が立ち上げたTICADは、アフリカ各国の首脳が勢ぞろいする国内最大規模のアフリカ関連行事だ。参加者は4500人を超えるとされており、会場となったパシフィコ横浜周辺はアフリカからの人々で溢れていた。TICAD開催中は、日本のメディアにもアフリカの記事が一気に溢れる。
どれだけ発表資料に目をこらしても、28日時点で、TICAD7の参加国数は記されていない。本会議場の座席に用意された国名の札を目視で数えてみたが、53を超えたところで断念した。着席するのも苦労するほどに、座席は密集している。人の出入りは絶えず、倒れた札もあり、数えきることができなかった。
現在、アフリカ連合の加盟国は55か国だ。いっぽう、日本でアフリカ諸国の国数が語られる際には、ほとんどの場合、54か国とされてきた。モロッコの植民地となっている西サハラが、日本では数えられることがない。
今回のTICADには、「初」参加国がある。西サハラの民サハラーウィが樹立したサハラ・アラブ民主共和国だ。同国のブラヒム・ガリ大統領が来日するのは初めてのことだが、本会議場でガリ大統領の初参加が語られることは一切なかった。
駆け足で、出展ブース周辺をめぐった。サハラ・アラブ民主共和国の国名は、どこにも見つけることはできなかった。西サハラという名称も、そうそう見られることはない。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のブースを訪ねた。壁面に掲げられた地図は、アフリカ北部がぼんやりと消されていた。
アフリカ北部のアルジェリアには、サハラーウィの難民キャンプがある。このキャンプでは、UNHCRによる支援が生命線となってきたが、この地図には、キャンプのある地域そのものが記されていない。なぜ北部だけ消されているのかを、案内員にたずねた。
「うーん、どうしてなんでしょう。ちょうどこの地図の作成にたずさわった者が不在でして…」とのことだった。