◆真の目的はイスラム教徒多数のカシミールの人口バランスを変えることか
撤廃の狙いは、経済政策がうまくいかないため、その不満をそらしたいということもあるが、政権の真の目的は憲法35条Aが無くなったことで、ヒンドゥー教徒の移住を促して、イスラーム教徒が多数派地域のカシミールの人口バランスをを変えることと思われる。
汚職の排除というのも笑止千万だ。多額の連邦助成金を交付し、長年カシミールの政治家たちの縁故主義を助長して汚職に染まらせてきたのは、これまで歴代のインド政府ではなかったか。
その彼らを、まるで敵対してきた分離独立派同様の扱いをして逮捕、軟禁している。インド政府の思うように動いても、用無しとなれば捨てられてしまう。それが、カシミールの人たちの眼には、どのように写っているか。
モーディー首相はインド独立記念日の演説でカシミールについて言及し「一つの国、一つの憲法」と唱えた。だが、憲法370条の撤廃でインド協調派がいなくなり、全員が分離独立派となってしまった。カシミールもまた8月5日以降「一つの国(独立)、一つの憲法(州憲法)」を望む者だけになってしまったのである。(終わり)
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