北朝鮮国内で、「花咲くあの年の月光」という中国ドラマが密かに流行し物議をかもしている。当局は「109常務」と呼ばれる、警察などで作る取り締まり専門チームまで投入して、このドラマを見たり、流通させている者を集中的に捜査している。この中国ドラマの何が、金正恩政権を慌てさせているのだろうか? (カン・ジウォン/石丸次郎)
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北部地域に住む取材協力者が8月中旬、このドラマを巡る騒動について、次のように伝えてきた。
「住民の間で、『花咲くあの年の月光』面白いらしいと評判で、たくさんの人が見ている。当局は、国営ビデオ会社のモクランビデオが販売する公認作品ではなく、朝鮮語字幕がついた不法流通物だとして取り締まっているが、実際は、ドラマの内容が政権に都合が悪いと見ているようだ」
◆腐敗にまみれ滅亡した清朝末期描く
さて、金正恩政権が躍起になって取り締まりを始めたこの中国の人気ドラマ「花咲くあの年の月光」とは、どんな作品なのだろうか? 少し調べてみた。
「花咲くあの年の月光」の原題は「那年花開月正圓」。中国で2017年8月から放送された74部作の人気ドラマだ。韓国では、2018年1月から、中国作品専門のケーブルテレビ局「中華TV」で放送された。
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