この協力者によると、中央党幹部らは、「白頭の革命精神を学べ」と金正恩に送り込まれたのだという。一行は地元の恵山(ヘサン)市に3日に到着して、徒歩で白頭山や三池淵(サムジヨン)の観光特区の建設現場を回って7日に帰って行ったそうだ。

朝中国境にそびえる白頭山一帯は、北朝鮮にとって「革命の聖地」。金日成が抗日ゲリラ活動の根拠地とし、金正日が誕生した場所だと主張している (実際は、金正日はロシア沿海州生まれ)。

北朝鮮国内は、長引く経済制裁の影響で経済悪化が深刻化。平壌でもアパート価格が暴落し、中国との貿易で利益を得ていた富裕層、高位層も打撃を受け、不安が広がっている。

金正恩氏が権力中枢の中央党幹部を動員したのは、「対米長期戦」に備えて政治、思想的に引き締め、「白頭の血統」を標榜して権力世襲を正当化している金正恩体制に、あらためて絶対忠誠を求めることが目的だと思われる。

来る8月29日には、今年2回目となる最高人民会議が開かれる。対米関係や国内統治で金正恩氏が、何らかの新しい立場表明する可能性がある。

※追記 白頭山一帯の「革命の聖地」は、2013年12月に実力者の張成沢(チャン・ソンテク)氏を粛清する直前、金正恩氏が重要幹部を引き連れて訪れるている。

「革命の聖地」付近図 (アジアプレス)

 

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