国民の信託による国政であるためには、日米合同委員会の合意の全容の情報公開が必要である。

それらの合意が主権や憲法で保障された基本的人権を侵害していないのかどうかを、国会議員や国民・市民がチェックできてはじめて、それが「国民の厳粛な信託」による国政なのかどうかを判断できる。

もちろん、主権や基本的人権を侵害する内容では、「国民の厳粛な信託」による国政にはなりえない。

憲法第98条では、「憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない」と定められている。

だから、日米合同委員会の「いわば実施細則」に過ぎない「航空交通管制に関する合意」に、航空法を超える効力を持たせ、「日米両政府を拘束する」と拡大解釈して、米軍の特権を認める行為は、まさに国の最高法規である憲法に反する「国務に関するその他の行為」にあたり、本来なら「その効力を有しない」はずなのである。tu続きの第21回を読む>>

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*関連図書
『「日米合同委員会」の研究』謎の権力構造の正体に迫る(創元社)吉田敏浩 2016年
『横田空域』日米合同委員会でつくられた空の壁(角川新書)吉田敏浩 2019年
『日米戦争同盟』従米構造の真実と日米合同委員会(河出書房新社)吉田敏浩 2019年

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