兄弟や、いとこと海から帰って網をほどくムハンマドたち(ガザ地区・1996年撮影:古居みずえ)

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◆漁師を再開したムハンマド

ガザ地区ビーチ難民キャンプのムハンマドに初めて会ったのは1996年。当時彼は19 歳。パレスチナ解放機構(PLO))とイスラエルが和平を結んで、ガザ地区が暫定自治区となって間もないころだった。兄弟や、いとこと海に向かっていくムハンマドはたとえ獲れた漁が少なくても生き生きとしていた。(古居みずえ・アジアプレス)

イスラエルによる経済封鎖前、漁業可能領域は12マイル(約22キロ)だった。(ガザ地区・1996年撮影:古居みずえ)

ムハンマドは19歳のときから父親の漁師見習いを始め、以来ずっと漁に出てきた。一時期、20代の頃はイスラエルに出稼ぎしていたが、2000年にイスラエルによる占領に対する民衆蜂起、第2次インティファーダが起こると、イスラエルで働くことはできず、漁に戻った。

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