◆週刊誌報道後、説明もせず雲隠れ
河井克行氏は、この問題が週刊誌報道によって明るみ出て法務大臣を辞職しているが、その後、河井案里氏とともに公の場に姿を出すことなく議員職を続けている。
この買収疑惑は、選挙の統括をした河井克行によって、13人もの多人数を買収した疑いが持たれており、事実であれば公職選挙法の中でも一番罪の重い刑事罰に相当する。また河井案里議員には、こうした違反行為を広島県議会議員時代の選挙でも行っていたという報道もあり、違法行為が常態化していた可能性が高いと告発状で指摘している。
告発人の一人である「政治資金オンブズマン」の上脇博之神戸学院大学法学部教授は、次のようにコメントした。
「河井元法務大臣夫婦らの疑惑は、買収の中でも刑事罰に該当する最も重く悪質な買収です。選挙の公正を著しく害した犯罪なので、刑事告発するに至りました。検察は裏帳簿を押収するなど徹底した捜査を行い、過去も含め真相を解明し二人の刑事責任を追及してほしい。週刊誌報道に対し、否定も反論もできていないにもかかわらず議員に居座っており、説明責任を果たさないので告発に踏み切った」 (鈴木祐太)
※11月27日公開記事を訂修正しました。領収証についてはより適切な「偽装疑い」という表現に改めました。告発人は10人でした。
■ 鈴木祐太 (すずきゆうた)
1981年香川県で生まれ。岡山、大阪で育つ。大学在学中から貧困状態にある子どもたち、特に被差別部落や在日外国人の子どもたちへの支援に関わり、小学校講師、派遣社員などを経てジャーナリズム活動を始める。フロントラインプレス所属。
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