在日朝鮮人の北朝鮮帰国事業が始まって満60年になるのを記念し、金正恩政権は12月15日、平壌で「在日同胞の帰国実現60周年記念報告会」を開催した。労働新聞、朝鮮中央通信が報じた。
報告会は盛大に催された模様で、労働党中央委員会の金英哲(キム・ヨンチョル)副委員長ら大物が参加したほか、朝鮮総連からは「在日朝鮮人感謝団」が組織されて参加した。
◆金日成―金正日氏の「おかげ」強調
報告会では、帰国事業を「人民大衆中心の朝鮮式社会主義の偉大な勝利」と自画自賛する一方、在日朝鮮人を帰国に導いた金日成氏、金正日氏の「不滅の業績」として、次のように礼賛している。
「(金日成)主席が在日同胞の切なる帰国念願を実現させてやるために絶え間ない労苦を費やし、心血を注いだことと、(金正日)総書記が主席の崇高な志を体して在日同胞の帰国を成功裏に導いた」
「社会主義祖国に帰ってきた同胞たちを革命同志として固く信じてやった(金日成)主席と(金正日)総書記が同胞たちに高貴な政治的生命を与え」
「誰もが安定した職業を持って自分の才能と希望を実現するように一歩一歩手を取って導いた」
いずれも太亨徹(テ・ヒョンチョル)最高人民会議常任委員会副委員長の報告だ。
◆金正恩氏の母も大阪生まれの帰国者
付記すると、金正恩氏の母・高ヨンヒ氏は1950年代に大阪に生まれ、60年代初頭に家族と共に北朝鮮に帰国している。したがって、金正恩氏は「在日帰国者2世」ということになる。(石丸次郎)
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