◆物価上昇続く

2月に入ってさらに物価は上昇し、不安が強まっていることが分かった。平安北道の新義州(シニジュ)市、咸鏡北道の清津(チョンジン)市、会寧(フェリョン)市などの他地域でも物価が急騰していて動揺が強まっていることが分かった。国産も多いコメの値段は、会寧市1キロ当たり4300ウォンから5500ウォンに上昇するなど、各地で15~20%程度上がっている。もともとコメの価格は中国元の実勢交換レートの変動に大きく影響を受けて上下していたが、 先週同様の1元=1250ウォンであるにもかかわらず、2月2日の米価が大きく上がったのは、供給量の減少が大きくしたものと考えられる。両江道の別の協力者は次のように説明する。

「貿易がいつ再開されるのか見通せず、当分の間、商品が入ってこないことを見越して、商人たちが一斉に売り惜しみに走っている。『手持ちの商品は値上がりして黄金の価格になる』と言う者もいる。特に医薬品の値段が急騰している。ブトウ糖溶液は一ビンが1.5元から3元に上がった。市場では雑貨程度しか中国産品を売っていない。運搬トラックは運ぶ品がない有り様だ。国内産の穀物まで品薄になった。余裕がある人たちはコメの買い占めに走っている」

金正恩政権は、新型肺炎に対する防疫を強力に呼びかけている。しかし、今、国内で動揺が拡がっているのは、コロナウィルス感染に対する恐怖ではなく、皮肉にも防疫のために貿易を止めた結果生じている。商売ができなくなったらどうやって収入を得るのか、食糧価格が高騰したら飢えることになるのではないかという恐怖だ。

「国も住民も中国頼りで暮らしてきた。国境封鎖が一カ月続いたら、パニックになるのではないか」と、協力者は説明した。

※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。

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