アスベスト(石綿)混入と指摘された子ども向け化粧品がネット通販大手・米アマゾンやイーベイで取り扱い停止された後も日本では販売が継続していたことが明らかになった。(井部正之/アジアプレス)

アスベストが検出され、米国で取り扱い停止後も日本で販売継続されていた子ども向けコスメ商品

◆アスベスト検出も日本で販売継続

米国の環境団体・EWG(Environmental Working Group)は1月16日、子ども向けのコスメ製品「Princess Girl’s All-in-One Deluxe Makeup Palette」から「アスベスト繊維を検出した」と発表した。

販売していたのはIQトイズ(IQ Toys)で、同社ウェブサイトのほか、米アマゾンやイーベイで販売されていた。日本でもアマゾンジャパンや、イーベイジャパンが運営するキューテン(Qoo10)で取り扱っていた。

同団体が独自に分析機関で調べてもらったところ、「同製品のアイシャドウから1グラムあたり400万本という高濃度でアスベスト繊維を検出した」という。

こうした化粧品を子どもが使えば、当然アスベストを吸ってしまう可能性がある。

報道後、同社や米アマゾン、イーベイはそれぞれ該当ページを削除し、販売を停止した。筆者が確認したところ、少なくとも1月18日段階で該当製品のページは削除されていた。

ところが、アマゾンジャパンやキューテンではその後も販売が継続されたのである。

日本側運営に情報が共有されず若干対応が遅れているのかと思ったが、半月以上が経過した2月4日においても販売は停止されていなかった。そのため両社に電子メールで質問状を送った。

イーベイジャパンは2月10日、筆者の指摘を受け、アスベストを含有していたと指摘された該当商品が「消費者被害および争いが多数発生または予想される」として、健康被害などを引き起こす可能性があるため規約違反と判断し、販売を停止した。

同社は該当商品について、「当社での購入件数は過去にさかのぼり停止日まで0件でした」と回答した。

また同社は「アスベストの問題は重大」として、「今回をきっかけに当社でも人員を増やす努力をし、チェック機能の強化を図っていきたい」「今後は法令を遵守し不適切な商品の販売が行われることのないよう、出店者様の認識を高め、当社からの指導・啓蒙活動にも尽力していきたい」と今後のチェック体制強化についても明言した。

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