◆届かなかった?「健康調査にお金を使ってほしい」
震災後すぐ家族で京都に避難し、今も避難生活を続ける福島敦子さんは「森雅子大臣は公衆被ばく線量である年間1ミリシーベルトをないがしろにする発言をするなど、県民の声に向き合ってこなかった。残念だ。」と企業から献金を受け取っていた森雅子大臣の姿勢を疑問視する。
大阪に母子避難した森松明希子さんは「除染にどれだけの効果があったのだろうか。政治家の利権のための除染ビジネスではなかったのか。健康調査にお金を回してほしい」と震災特別会計の一部が政治家に還流されていることに疑問の声をあげた。
森雅子大臣には企業献金が除染を重視するという政治判断に影響を与えたかどうかについても質問をしたが、明確な回答はなかった。
東日本大震災の被災者は、生活を再建するだけで精一杯で、政治家に献金する余裕がない人がほとんどだ。本来、政治はそうした声にこそ耳を傾けなければいけないはずだが、献金ができる企業の方を向いて政治判断が行われたなら、もしくはそうした疑念を持たれるだけでも問題である。森大臣には、こうした献金について説明責任がある。
■ 鈴木祐太 (すずきゆうた)
1981年香川県で生まれ。岡山、大阪で育つ。大学在学中から貧困状態にある子どもたち、特に被差別部落や在日外国人の子どもたちへの支援に関わり、小学校講師、派遣社員などを経てジャーナリズム活動を始める。フロントラインプレス所属。
合わせて読みたい記事