2月中旬以降に北朝鮮の官営メディアに掲載された記事に掲載された公共の場所でマスクを着用している写真の中に、いくつもの合成写真が含まれていることがわかったと、北朝鮮ニュース専門ウェブサイト「NKニュース」が3月6日に報じた。
「NKニュース」が一例として取り上げのは、北朝鮮内閣の機関紙「民主朝鮮」が2月に掲載した写真。女優のキム・ジョンファ氏が、医療用マスクをつけて平壌演劇映画大学の学生を指導している様子が写っている。
写真では学生らしき4人もマスクを着用しているが、いかにも稚拙に加工された写真のようである。
この写真について、韓国メディアの中からは「マスク不足を示すもの」という指摘が出ているが、記事を書いた「NKニュース」のコリン・ズヴィルコ記者の見解は異なる。
「2月初旬以降、北朝鮮のプロパガンダ媒体から、人々がマスクを着用していない写真が減っていった。北朝鮮メディアは多くの古いストック写真を使うので、その一枚が加工されて掲載されたものだろう」と、ツイッターで見立てを書いている。
つまり、新型コロナ肺炎の防疫のために国民にマスク使用を強要している渦中に、国の重要メディアでマスクなしの写真を使うわけにいかず、後で合成してマスクをくっつけものだろうというのである。