◆肺炎禍が世界に拡大で品薄も影響
経済難で医療保健分野が劣悪な北朝鮮が、国際赤十字に新型コロナ肺炎の防疫用物資の支援を要請していたことがわかった。だが、北朝鮮が採っている国境遮断措置のため、搬入が大幅に遅れている模様だ。米国の「自由アジア放送」(RFA)が6日伝えた。また、さる3月5日に中国からの防疫用物資が平安北道新義州(シニジュ)市に緊急に送られたとRFAは報じている。
RFAは新義州市で貿易物品倉庫管理をしている消息筋の話しとして、「防疫服、消毒薬、マスクなどが5日にトラック2台で搬入されたが、公開的に防疫用物資が入ったきたのは初めて。それらはすぐに北朝鮮側のトラックに積み替えられて国道に入っていった。平壌に向かったはずだ」と伝えた。
またRFAは同じ記事で、遼寧省丹東市に駐在する北朝鮮人の話として、「(北朝鮮の)領事部の人間から、我が国政府が中国に、防疫用物資品を税関を通うじて送れるようにしてほしいと要請したと聞いた。(5日に)搬入されたのは貿易としてではなく中国の緊急支援だろう」と報じている。
■赤十字やNGOから支援は大幅遅れ
一方、国際赤十字などからの緊急支援は遅れているようだ。RFAは6日の別の記事で、国際赤十字社のアジア太平洋支部のカロライン・ハガ代弁人にインタビューしている。
その中でハガ代弁人は、「北朝鮮の保健省と赤十字会の要請でコロナ肺炎関連の医療装備を迅速に送ろうとしているが、世界的な需要急増による品不足で困難がある。また北朝鮮の航空機運行と物品搬入に対する制約も遅延の原因だ」と説明した。
国際赤十字社のリチャード・ブルウイット国連駐在代表は「支援物資を北朝鮮に送る効率的な交通手段は何か論議中だ。まだ支援物資は北朝鮮に送れていない」とRFAに述べている。
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