◆ISの同性愛者摘発
ラッカでは同性愛者が数人処刑されている。私はそのうちのある一家を探し当てた。だが取材は固く断られた。
「息子のことは誰にも知られたくない。この社会では恥ずかしいことなのです」。
母親はただそう言うばかりだった。
アハメット・アルフセインさん(26)は、友人(17)が同性愛者としてISに捕まり、処刑された。友人は薄茶色の瞳が美しい、物腰の柔らかい青年として、以前から近所で知られていた。
ISは地区に情報網を張り巡らせ、「同性愛者っぽい」と噂のある者を逮捕した。また近隣でトラブル関係にある住民が「あの家の息子は怪しい」と虚偽の密告をする例もあったという。
「ISが宗教の名で処刑を正当化し、見せしめで恐怖支配を広げた」と、アハメットさんは話す。
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