◆選管が法定上限超え指摘のメモ書き
昨年7月の参議院選挙で広島県選挙区から立候補し当選した自民党の河井案里(あんり)議員の選挙運動収支報告書が、一度提出された後に差し替えられていたことが、広島県選挙管理委員会(以下、広島県選管)への情報公開請求と取材で分かった。また、車上運動員(ウグイス嬢)だけでなく、他の複数の項目でも公選法で決められた以上の金額が支払われていたことが分かった。(鈴木祐太)
◆河井議員の二つの異なる収支報告書
ここに河井議員の二種類の選挙運動収支報告書がある。一つは、2019年10月に広島県選挙管理委員会に情報公開請求して入手したもの。もう一つは、同じ方法で2020年3月に入手したものだ。
最初に入手したものには、複数個所に、広島県選管の職員が書き込んだと見られるメモ書きがあった。
「内訳とあっていません」
「(職業)記入漏れ」
と書類の不備をうかがわせるものが多い。
それだけでなく、「一日の上限を超えていませんか」といった選挙違反を指摘するような書き込みもある。
これに対して、2020年3月に入手したものにはそのような書き込みはなく、2019年に指摘された不備は解消され、法令の上限を超えていた支出額は法令内の支出額になっている。差し替えられたのではないか?
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