子どもを戦争に駆り立てるのは、ISに限ったことではない。いくつもの国や組織が、「大義」のもとに少年を動員してきた。ナチスドイツは戦況悪化で少年兵を投入、日本でも沖縄戦で1500人以上の旧制中学生らが鉄血勤皇隊に動員され、半数が戦死している。
左足を失ったフアッドはいま、車イスの生活だ。
「医者や先生になりたい。でも、もう一度戦えるなら、前線に戻りたいな。その夢のほうが自分には近いかもしれない」
そう言って、彼は窓の外の景色を見つめた。
(※本稿は毎日新聞大阪版の連載「漆黒を照らす」2020年5月26日付記事に加筆したものです)
合わせて読みたい記事
- <写真9枚>シリア・ラッカ ISによる集団処刑の丘 今も見つかる遺体 (2020-06-08 11:22:15)
- <イラク戦争開戦から17年>希望はどこに... バグダッド反政府デモ 青年の死(写真5枚) (2020-03-31 10:30:52)
- <シリア>同性愛者処刑繰り返したIS、その現場で (2020-03-02 14:06:50)
- <シリア>忘れられた戦争の犠牲者、残されたIS孤児たち(写真12枚) (2020-01-31 10:11:44)
- <写真9枚>「イスラム国」に引き裂かれたヤズディ教徒(1)「邪教」とされ虐殺、女性らを拉致「奴隷」に (2018-05-21 14:39:21)