◆イスラム法を独自解釈し、「神の裁き」を宣伝したIS
4年近くにわたりシリア・ラッカを支配した過激派組織イスラム国(IS)。独自に解釈したイスラム法による統治を布告し、公開処刑や手足切断刑を繰り返し、ネットで世界に宣伝した。だが実際の現場では「法」は恣意的に運用され、でっち上げの罪を着せられた住民もいた。ISに手首を切断された男性をラッカ現地で取材。取材は2019年10月。(玉本英子・アジアプレス)
シリア・ラッカ市内の広場に集まった群衆。黒覆面の男たちが、青年の右腕を机に置き、体を押さえつける。「この者には窃盗の罪で神罰が下される」とマイクで告げられると、手首めがけてナタが振り下ろされた。ISが公開刑を執行する映像だ。
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