◆「人びとの信仰心を侵害するのが『表現の自由か」と住民
デモ参加者のサメル・アルカリファさん(47歳・衣料販売業)は「IS支配下のラッカに暮らした。ISの恐怖支配に苦しみ、またそれと戦ってきたのは私たちイスラム教徒住民。それでも私たちの預言者を侮辱し、過激主義に結び付けるイメージを与えたフランス大統領の発言に怒りを感じる。」
またこうも付け加えた。「私たちは仏大統領発言に抗議していて、フランス人に対するものではない」。
ムハンマド・アリさん(33歳・市場職員)は「(教師を殺害した)犯人の男の行為は許されるものではない。だが、人びとの信仰心を侵害し、預言者侮辱を擁護することが『表現の自由』と言えるのか。そこをフランス大統領には考えてほしい」と語った。
イスラム過激組織ISの支配に苦しんだ住民。多くはフランスでの教師殺害は支持しないものの、一方で宗教や預言者への冒涜を擁護することは許されない、という声が上がっているとアハメッド記者は伝えている。今週の金曜日にはラッカで再度、市民による抗議行動が予定されているという。
◆ISが住民感情を利用する懸念も
住民の抗議行動とは別に、ISは10月22日発行の機関紙ナバアで、教師殺害の容疑者で警察の発砲で死亡したチェチェン出身の男を「殉教者」などと表現。仏大統領発言へのイスラム教徒の心情に付け入り、ISがテロを呼びかける懸念もある。
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