家具大手のニトリホールディングスは12月22日、珪藻土製のバスマットやコースターなど9製品にアスベスト(石綿)が含まれていたとして、該当する240万個超を回収すると発表した。これまでに明らかになった、禁止されているアスベスト製品を販売した事例としてはぶっちぎりの最多である。(井部正之/アジアプレス)
◆29製品は現在調査中
厚生労働省は11月27日に大阪府貝塚市のふるさと納税返礼品である堀木工所(同市)の珪藻土バスマットからアスベストを検出し、回収を命じたことを発表。あわせて500超の業界団体に関連製品の安全性を確認するよう通知している。
ニトリは同省通知を受けて、バスマットやコースターなど珪藻土製品138種類について分析調査を開始。12月18日にコースター1製品について、「法令の基準を超える石綿が含まれていることが判明いたしました」と自主回収する方針を公表していた。
12月22日の発表は、新たに見つかった8製品を含め、2016年12月4日から2020年12月16日まで販売されていた計9製品にアスベストの1つクリソタイル(白石綿)が基準の重量比0.1%を超えて含まれていることが判明したというもの。対象製品は計241万3591個に上る。
多く販売された順で、「カイテキサラサラ バスマット 40×55」102万4273個、「カイテキサラサラ バスマット1 29×39 IV」70万3435個、「サラサラ コースター RO」34万6523個などがある。
同社は該当製品については自主回収し、交換または返金する方針。同社広報部によれば、「遅くとも2021年1月中旬まで」に同社ホームページで手続きを公表する。
製品を割ったり削ったりした場合にはアスベストが飛散し、吸ってしまうおそれがある。同社は該当する製品を持っている場合、使用を中止し、ごみなどで廃棄せず、ビニール袋2重に入れテープなどで密閉して保管するよう求めている。
問い合わせはニトリホールディングスお客様相談室(フリーダイヤル)0120-209-993。
なお、同社発表によれば、バスマットやコースター、石けんトレー、歯ブラシスタンドなど29製品については調査中で、今後さらに回収対象が増える可能性がある。そのほかの100製品についてはアスベストは含まれておらず「安全が確認された」ため、販売を継続する。