台湾ニトリ(宜得利家居=ニトリ家具)でも珪藻土製バスマットやコースターにアスベスト(石綿)が含まれていたとして自主回収を公表していることが明らかになった。家具大手・ニトリホールディングスは12月22日に日本国内で販売した計約241万個について回収を発表しているが、アスベストが含まれていたとみられる製品はさらに多いことになる。(井部正之)
◆バスマットなど珪藻土製品で検出
台湾ニトリのウェブサイトは「重要公告」として、珪藻土製品へのアスベスト含有を伝えている。発表は日本から1日遅れて12月23日。同24日には日本で前日に公表されたアスベスト含有の可能性のある製品の見分け方についても掲載されている。
台湾で販売されていたのは計111製品。日本より27製品少ない。
回収対象は日本と同じバスマットやコースター9製品。日本ではアスベストの1つクリソタイル(白石綿)がこれらの製品から検出されたとしており、おそらく検査結果は同じとみられるが、現段階で詳細は不明。また販売数についても明らかにされていない。
調査中とされているのは日本では29製品だったが、台湾では54製品。一部日本では販売されていないとみられる製品が含まれている。表記ミスでなければ、現地の分析機関あるいは台湾の規制に合わせて分析している可能性がある。
台湾では2010年1月以降、段階的にアスベストの使用を禁止。2018年1月1日に重量比1%以上の製造・輸入・販売・使用を全面禁止した。日本では重量比0.1%超を禁止しており、台湾とずれがある。
現状では判然としないが、台湾の規制である「1%以上」を超えてアスベストを検出していた可能性もある。あるいは日本の規制上、基準を超えていたことから台湾でも安全側に立って回収を公表したということだろうか。あくまで台湾規制で改めて判断している場合、規制ギリギリにアスベストを含む製品は回収しないなどという非人道的な措置があり得るのだろうか。
同社広報部に確認しているが、12月25日午後3時現在、回答は得られていない。
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