◆コロナ雇用調整助成金の随意契約どうなってる?
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、政府はマスク配布や持続化給付金支給など多岐にわたる施策を実施、業務を外部発注した。事業の一つである「雇用調整助成金」が 公正に行われているかを確かめるため厚労省に情報公開を請求したが、法定の公開期限を4カ月過ぎても回答はない。これは違法状態である。専門家は「開示を意図的に遅らせている」と厳しく指摘している。(鈴木祐太)
筆者が加藤勝信厚生労働大臣(現・官房長官)に対して雇用調整助成金に関する情報公開請求を行ったのは、2020年6月29日(受付は6月30日)。業務を発注する業者との契約書や面談記録などの公開を求めた。
政府はコロナの感染拡大を受けて、雇用調整助成金の緊急対応などのためにコールセンターの開設、学校等休業助成金の受付センターの設置などの事業を企業と随意契約で実施した。その契約内容をチェックするのが目的だ。
そのうちコールセンター業務については、持続化給付金の再委託先となって注目を集めた人材派遣会社のパソナとトランス・コスモスが随意契約で受注していることが、厚労省の官報と行政レビューから判明している。持続化給付金事業と同じように「中抜き」されていることはないのか?
◆最大60日の回答期限超えても放置
7月29日付で厚労省から通知が来た。開示決定の判断を情報公開法で定められている延長期限の8月29日までに回答するという。理由として「新型コロナウイルス対応等、審査と並行して処理すべきその他の事務が著しく多忙であり、また不開示情報該当性の審査に時間を要するため」と記載されていた。
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