◆両江道の中心都市恵山
北部両江道の恵山(ヘサン)市。道庁所在地で対中国貿易の拠点都市のひとつだが、コロナ防疫のために国境を封鎖しており、大きな打撃を受けている。市中心部に住む比較的裕福な住民は次のように報告する。
「電気供給は1日に2時間程度。週に一回4~5時間来る日がある。携帯電話の充電もままならない。工業線から盗電している人が金を取って充電させていたが、最近は密告を警戒してあまりしてくれない。水道は1日に2時間程度水が出るが、腸チフスが流行しているため消毒剤を混ぜていて匂いがひどくて飲めない」
◆電力メーター設置進む
北朝鮮の一般家庭の電気料金はドンブリ勘定であった。役所の配電部の担当官が家を回って家電製品の数と種類を調べて料金を決めるという方法が続いていた。
金正恩政権になって、使用量に応じて料金を徴収する制度の導入が図られた。そのためには電力使用量を把握しなければならない。当局は2017年頃から全世帯への電力メーター設置を計画したが費用は全額個人負担。中国産メーターの代金は20~30米ドルもする上、電気がまともに来ない日々が続き、平壌の住民たちの反発が強く設置が遅れていた。
「利用者負担制」の導入は、最近になってようやく緒に就いたようだ。茂山郡の協力者は次のように言う。
「平壌と大都市から始まっていた電力メーターの設置が、地方の市郡でも強力に進められている。今後は使っただけ料金を払えという制度になる。コロナで中国産のメーターが入って来なくなり、大安重機械工場(平安南道)で作らせたもの使うことになった」
※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入し連絡を取り合っている。
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