インターネット通販大手アマゾンで販売されていた珪藻土バスマットに「検査済み」「認証済み」と安全性を強調していたにもかかわらず、実際には法令の基準を超えるアスベスト(石綿)が含まれていた事例が明らかになった。(井部正之)

アマゾンの販売ページで「検査済み」と安全性を強調していたが、基準超のアスベストを検出したJASKIVIの珪藻土バスマット。厚労省発表資料より

◆厚労省の独自調査で発覚

厚生労働省は1月29日、アマゾンで販売されていた珪藻土バスマット2製品にアスベストが労働安全衛生法(安衛法)の基準(重量比0.1%)を超えて含まれていたと発表した。

2つの製品とは、出品者・KMJの「KEISOUDOS1高品質珪藻土バスマット(40cm×30cm、色:ベージュ)」とJASKIVIの「珪藻土バスマット(40cm×30cm×0.9cm、色:グレー、バスマット表面に「JASKIVI」の彫り込みあり)」。いずれも中国からの輸入品。

今回の発表は同省の独自買い取り調査によるもの。

2020年11月27日の発表時に宣言していたとおり、同省は同12月に分析機関と契約し、その後珪藻土製品を買い取って独自に分析委託。1月末ごろに検査結果が明らかになったという。

同省化学物質対策課によれば、KMJの製品からはアスベストの1つトレモライト、JASKIVIの製品からは同じくクリソタイル(白石綿)をそれぞれ検出した。定量分析の結果については明言を避けたが、「0.1%超で1%に満たないくらい」(同課)という。

珪藻土製品からアスベスト検出が相次ぐなか、アマゾンでは「検査済み」を表明する製品の販売が増加している。分析結果を販売ページに貼り付けて公表するケースもしばしば見られるようになった。

ところが筆者が厚労省に取材したところ、今回アスベストを検出した製品の1つがそうした「検査済み」製品だったことが判明した。

「製品情報を見たとき、(アスベストの)記載がなかったのが1つ、検査済みというのが1つ。JASKIVIはアスベスト『検査済み』で、『SGS認証済み』という記述もあった」(同)

SGSはスイスに本部を置く、規制への適合検査や認証などを行う国際企業。「SGS認証済み」とはその検査や認証を受けていることを指すとみられる。

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