◆感染経路不明でも申請を

労災認定を受けることができれば、健康保険などでの治療と違って自己負担なしの無料で治療を受けることができる(新型コロナの場合、指定感染症のため入院医療費は公費負担)うえ、療養期間中の休業補償(給与の約8割)も給付される。

最近問題になっている新型コロナの後遺症についても同様に「療養・休業補償の対象となる」と同省補償課は認める。

懸念されるのは支給の打ち切りだが、同省は「主治医などに治療や休業が必要と判断されれば打ち切るということはない。(新型コロナの後遺症は)初めての話なので知見が確立されていないため、主治医の意見を聞きながら個別に判断していくしかない。具合が悪いという患者への支給を安易の打ち切るようなことはない」と強調する。

天野氏は「あくまで一般論。主治医がこれはコロナではないと治癒の欄に丸をつけたら打ち切られる危険性がある。安易に打ち切られることのないよう国はきちんと指針を示すべき」と指摘する。

職場で感染者が誰もおらず、感染経路がわからないような場合に申請を思いとどまってしまいがちだが、天野氏は「(明らかに業務外の感染でなければ)認定される可能性は十分あるので申請してほしい」と訴える。

労災申請の相談は全国労働安全衛生センター連絡会議(電話03-3636-3882、月~金曜日午前10時から午後4時)で受け付けている。また同センターのウェブサイトからはメールフォームによる問い合わせも可能。

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