◆強まる農村幹部への統制と処罰
幹部らの態度は保身のためだ。1月に開催された労働党8回大会の後、農村でも幹部に対する統制が厳しくなり、中央の指示を執行できなかったり、不正行為を働いたりした幹部は、容赦なく処罰されている。
他方で、幹部たちにとって「小土地」の農場への完全移管は頭の痛い問題でもある。国から与えられる農場の生産計画量(ノルマ)は、耕地面積によって決まるが、実際に生産可能な量より高く設定されるのが常だ。そのため、農場ではできるだけ生産面積を少なく報告したいが、「小土地」の農場移管によってノルマが増えてしまうのである。
「農民たちは自分の『小土地』なら一生懸命耕す。それが農場のものになったら、生産が天と地の差ほど落ちるのは間違いない。それより、これまでのようにこっそり『小土地』を耕作させて使用料を取った方がいい。農民にそう提案している幹部も出ている」
両江道の協力者は、動揺する幹部が出現している現状をこう説明した。
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