◆「爆音のたび子ども抱きしめ」ガザの女性が語る空爆
5月11日からイスラエル軍によるガザへの攻撃が続く。パレスチナ人にとって難民となったナクバの日(大惨事の日)の15日にも空爆で死傷者が出た。この1週間でパレスチナ側の死者はおよそ200人を超え、うち子どもは60人にのぼる。一方イスラエル側はハマスによるロケット弾によってイスラエル人12人が死亡している(5月19日現在)。夫と息子の3人でガザ地区に暮らす27歳の住民女性に話を聞くことができた。(古居みずえ)
関連記事fa-arrow-circle-right<イスラエルが空爆>パレスチナ・ガザ住民の声を聞く「これまで経験したことのない激しい攻撃 私たちには逃げ場がない」
◆夜、窓から見える町は炎で赤く
5月15日未明のことをアマルさん(仮名27歳)は語る。
「昨夜はガザ地区の南から北まで攻撃されたようです。夜中だったので、眠りにつこうとしていた人たちが亡くなったのではないでしょうか。私と家族は部屋にいたので、外の詳しいことは分かりませんが、すごい揺れと凄まじい音でした。爆音がするたびに私は子どもを抱きしめ、家の中の安全と思われる場所に座り込み、静まるのを待ちます。窓から見える空は炎で燃え上がり、ガザの空を赤く照らし出します。この恐ろしい状況は誰も想像できないでしょう。
テレビニュースで、15日にガザ北部のシャティ難民キャンプで、パレスチナ人一家が攻撃を受け、女性や子どもを含む10人が瓦礫の下で命を落としたと伝えていました。私は2009年にイスラエル軍の空爆で、一家29人が亡くなった事件を思い出しました。その時も犠牲者の多くは女性や子どもたちでした。2012年、2014年にも大きな攻撃がありました」
◆鳴り響く爆撃音
アマルさんは言う。
「私は怖くて、この一週間はずっと家にいます。電気がある限りニュースを見続けます。電話で大切な人や友人の無事を確認し、お互いを慰め続けています。その間にも爆撃音が鳴り響きます。息子は爆発音を聞くと、泣いて私に駆け寄ります。不安や恐怖を感じさせないように『これは花火なんだよ。怖くないよ』と言きかせています」