住民の疲弊は危険水位に達しているというのに、当局は、国家保有の食糧を放出するというような具体的な対策を取っていない。

「茂山鉱山では党員の労働者に対して、職場の生活困難者を助けよと指示が出たが、党員だってカツカツだ。自腹で出せる食糧なんてわずかなもので、焼け石に水だった」と協力者は続けた。

◆「一日一食」が増加

両江道(リャンガンド)の住民にも話しを聞いた。

「もう食用油が使えなくなった。100グラムが70中国元(約1200円)もして、とても買えない。商売不振で皆お金がなく、一日一食しか食べられない人が多い。私個人は、統制で商売もできず、『苦難の行軍』の時(90年代後半の未曽有の大飢饉)よりもしんどい」

このように苦しさを吐露した。

協力者の報告から、北朝鮮の現状がすでに人道危機水準にあるのは明らかだ。金正恩政権は、国際社会に速やかに緊急人道支援を要請し、国際機関の人員の入国と査察を速やかに認めるべきだ。

※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。

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