鴨緑江を巡回する北朝鮮兵士。昨年来続いていた鉄条網増強工事はほぼ完了した。2021年10月に中国側から撮影アジアプレス

◆密輸と脱北を根絶やしせよ

洞の担当安全員に、この措置がいつまで続くのか調べてもらったが、時間は少し変更される可能性があるが、国境地域の夜間の移動統制は、コロナが終わってもずっと続くそうだ。国境都市の夜間封鎖を続けなければ密輸や脱北は根絶されないと、上が要求しているそうだ。

人々の不満は強いよ。世の中は戦時でもないのに隣の家にも出られないのかというわけだ。だがそれを口にすると「反社会主義」扱いされる。夜は、取締りから逃げようとする者と捕まえようとする者の怒鳴り声で騒がしい。

取り締りで捕まったら、労働鍛錬隊に送られ無報酬労働だ。子供が外出して捕まったら親が批判される。頻繁になると親が労働鍛錬隊に行かなければならない。都市建設や市内の工事現場に送られている。男の場合、朝は職場に出勤させ、午後2時から建設に動員させる方式だ。
※労働鍛錬隊 社会秩序違反を理由に1年以下の強制労働をさせる警察管轄の収容施設。

夜間は道路が遮断されるため、運送車両が往生している。長距離の車も夜間は移動禁止が原則なので、物を運ぶのも難しい状態だ。

咸鏡北道の他の都市と両江道(リャンガンド)、平安北道(ピョンアンプクド)の協力者に確認したところ、同様に夜間の外出と通行禁止措置は継続される見通しだとのことだった。

※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。

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