「何も殺さなくてもいいではないかと、周囲の人は皆反発している。配給もない、商売も大不振。どうやって生きていけというんでしょう? 耐えるにも限界があるんです。越境しようとした人たちにとっては最後の手段だったはず」(労働者)
「中国に渡河しようとする者は無条件に撃てと、国境警備兵は命令されています。暮しがしんどくて逃亡しようとするのを若い兵士たちもよくわかっているはず。射殺してしまった兵士は動揺していることでしょう」(労働者)
「統制が厳しいので、息が詰まりそうです。最近、人々は自らのことを『穴倉で暮らすブタのような人生だ』なんて言っています。でもブタは腹が減ったら鳴くことができるだけれど、ここの人間は声も出せない。外国の人たちは、こんな有り様だということを知っていますか?」(家庭の主婦)
金正恩政権は昨年8月に、国境河川に許可なく接近する者は警告なく射撃するという布告を発表していた。新型コロナウイルス流入を防ぐという名目で、昨年から中国との国境は厳戒態勢が続いている。未確認ながら、豆満江、鴨緑江沿いの複数の地域で、中国に越境図った住民に兵士が銃撃を加えたという情報が複数ある。
※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。
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