◆諍いと不信…深刻な住民の疑心暗鬼
「最初は時局が大変だから統制を強めるのかと見ていたが、目的は人々を離間させることにあるのでいないかと思っている。通報した、されたで喧嘩になったり、互いに信用しなくなったりしている。何か他人の不都合を見つけたら『コメ2キロ分稼げる』と言う人もいる」(感鏡北道)
※12月22日時点で1万ウォンは白米2キロ強に相当する。
密告褒章制度は、生活の苦境に付け込んで統制強化を図る実に狡猾なやり方だ。住民たちの間に相互不信を生んで離間・分裂させる悪質な統治方法だと言える。
「隣近所の人たちとキムチなどを分けあって食べていたが、最近は避けるようになった。仲が良くても互いに家に寄ったりしなくなった」(平安北道)
「家族や親せき同士でも、不和やトラブルがあると過去の出来事を通報してやると脅したり、罵ったりするようなことが起こっている。互いを遠ざけ、人間関係がずたずたになって殺伐とした世の中になった」(両江道)
「最近は、知人に少しでも不都合なことを見られたら、『まさか褒賞金をもらうつもりはないよな?』なんて、冗談にもならない言い方をするようになった」(両江道)
密告された人は、当然調査と処罰を受けることになる。軽い場合は注意・叱責で済むが、「革命化」と呼ばれる無償労働、労働鍛錬隊という1年未満の強制労働キャンプ送り、農村や僻地への追放されるケースが報告されている。逮捕されて教化所(刑務所)に送られる事例も出てくるだろう。
※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。
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