ギジェルミナさんは70年代に革命戦に参加していた。息子を殺され「オルテガは独裁者になり下がった」と非難する。2019年9月、マナグア。

◆オルテガは独裁者に成り下がった

ギジェルミナさんがふと、昔を振り返った。

「私はGPP(継続人民戦争派=サンディニスタ民族解放戦線・FSLNの一派)として、革命戦に参加していたんですよ」

時代はかつての独裁者ソモサ一族が国を支配した1970年代のことだ。彼女が生まれ育った首都マナグア市南部の「レパルト・スチック地区」では、多くの若者がさまざまな立場で革命戦に参加した。ギジェルミナさんは、自由を求める周囲の若者とともに路地にバリケードを作り、独裁者の攻撃に対峙した。

「オルテガは独裁者に成り下がった。お金と権力が人を変えたんです」

そう、やりきれない思いを吐き出し、こう続けた。

「私は今回の大統領選挙に参加していません。なぜなら、ニカラグアをこんなにも破壊した大統領への信任に、手を貸すことはできないから。殺人者はこの国から去るべきです。私は闘います。私の息子が殺されなければならなかった理由は、何一つなかったのですから」続く 5へ

※次回の掲載は228日の予定です。

 

★新着記事