学校におけるアスベスト(石綿)の危険などについて議論する「みんなで考えるアスベスト疾患子どもに迫る危険」と題する講演会が3月6日、大阪・堺市の市総合福祉会館で開催される。(井部正之)
◆懸念される子どもの曝露
アスベストは曝露から中皮腫(肺や心臓などの膜にできるがん)などの発症まで約15~50年という長い期間を要することから原因が特定されず、労災認定などがされにくい。同様に工場周辺などにおける健康被害の場合なども賠償まで結びつかないことが少なくない。
堺市の4つの小学校では、天井裏から危険性の高い吹き付けアスベストが見つかり、子どもたちが吸っていた可能性があるとの問題が明らかになった。ところが当初2カ月以上も隠されていたうえ、児童らが吸った可能性を示す状況証拠が次々見つかり、健康リスクを検証する専門家会議が始まってもいまだに保護者への説明会すら行われていない。被害者支援などに取り組む主催の「アスベスト疾患・患者と家族の会堺対策チーム」はこうした状況から、今回の講演会を企画した。
当日は保育園の不適正工事で子どもをアスベストに曝露させられた聖路加国際大学看護学部の長松康子准教授が体験を語るほか、クボタ旧神崎工場周辺の健康被害についてもっとも早く取材してドキュメンタリーをつくった映像ディレクターの野崎朋未さんが身近なアスベストについて参加者に考えてもらう企画を受け持つ。筆者も学校におけるアスベストや堺市で現在起きている問題を話す。
開催は市総合福祉会館(堺市堺区南瓦町2番1号)5階の大研修室で3月6日午後1時半から3時半(入場開始は午後1時)。参加は無料だが、新型コロナ対策のため事前申し込みが必要。オンライン参加も可能。申し込みはQRコード(記事冒頭付近のリンク)からが容易。電話・メールによる申し込みも可能(電話:050-3592-3903、メール:amiantonet@gmail.com)。メールの場合は件名に「3月6日講演会申し込み」と明記のうえ、氏名・電話番号・同伴者氏名の記入を。
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