2017年に「日本維新の会国会議員団」から200万円の寄付を受けていたにも関わらず、政治資金収支報告書に記載していなかったことなどで、日本維新の会の清水貴之参議院議員と会計責任者が大学教授に政治資金規正法違反で刑事告発された。(フリージャーナリスト・鈴木祐太)
清水議員と会計責任者を刑事告発したのは、上脇博之神戸学院大学教授だ。
告発状によると、清水議員が代表を務める「清水貴之後援会」は2017年に所属する「日本維新の会国会議員団」から計200万円の寄付を受けたにもかかわらず、政治資金収支報告書(以下、収支報告書)に記載していなかった。
これは政治資金規正法(以下、規正法)の不記載に当たると指摘されている。この200万円の寄付収入が収支報告書に記載されなかったのは年内に裏金として支出されたからだとして、この支出の不記載も規正法違反として告発されている。
清水議員は2020年の収支報告書においても、「日本維新の会国会議員団」から計200万円の寄付のうち100万円の寄付が不記載だったとNHKに報道されている。この件については、すでに修正していることが確認されているが、この不記載も報道がなければ訂正されなったとして告発されている。
もしも2017年の寄付200万円分が年内に裏金として支出されていなければ同年分の「翌年への繰越額」は200万円足りない状態になっていることになり、さらに2018年以降も「繰越額」を200万円少ないまま報告しつづけており、これが規正法の虚偽記載に当たると指摘され、これも予備的に告発されている。
刑事告発した上脇教授は次のように語った。
「政治資金規正法は、会計帳簿に政治資金の収支を記帳し、それに基づいて収支報告書に記載するよう義務づけていますから、会計帳簿に記載していれば収支報告書の記載漏れは生じません。たとえ単純ミスで収入の記載漏れがされても、収支が合わなくなるので漏れに気づくはずです。おそらく2017年に200万円を帳簿に記載しない裏金として支出したために収入の200万円も記載しなかったのでしょう。これは会計責任者だけの判断ではできないでしょうから、清水議員が首謀者だったのではないでしょうか」
会計簿を正確につけていれば起こりえない問題だったと断言した上で、清水議員が関与していた可能性に言及した。
さらに上脇教授は今回、清水議員を刑事告発した理由を次のように語った。
「清水議員は議員になる前は報道機関で仕事し、『政治とカネ』疑惑を追及する側でした。悪質なので告発しました。検察は捜査を尽くして200万円がどのような目的で支出されたのか解明してほしい」
■ 鈴木祐太 (すずきゆうた)
1981年香川県で生まれ。岡山、大阪で育つ。大学在学中から貧困状態にある子どもたち、特に被差別部落や在日外国人の子どもたちへの支援に関わり、小学校講師、派遣社員などを経てジャーナリズム活動を始める。フロントラインプレス所属。
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