◆地域で活動に差も
活動期間も残り少なくなり、地域間で開きが出てきた。22日の時点で、法定数を突破したのは、大阪市内では西淀川区や東成区、城東区、住吉区など9区をはじめ、寝屋川市、富田林市、高槻市、大東市、四条畷市、大阪狭山市、能勢町、河南町、千早赤阪村などあわせて27地域。
一方で、大阪市大正区は18日夜、ようやく「受任者交流会」を開催できた。17日時点で世話人の菊井順一さん(73)に手元に届いた署名数は120筆で、大正区の法定数(1078人)の1割ほどだった。
菊井さんは「それぞれの受任者が集めた署名を事務局に送ればいいのだと思っていたが、大正区選管に提出しなければいけないと知り、あわてて他の受任者に連絡を入れたのです」と話す。
菊井さんは元兵庫県職員。維新政治の「公務員たたき」に反発を感じ、「都構想」にも反対票を入れたという。
地域代表となった中村吉政さん(74)は、夢洲をよく知る「港合同」の組合員。「夢洲は構造物が建てられる地盤ではないし、危険物質も混じっている。土壌汚染対策費も790億円ですむはずがない。維新が過半数を占める府議会で住民投票条例案の可決は難しいが、闘わず負けるのは悔しい。力を合わせて頑張りましょう」とあいさつした。
この日、「もとめる会」共同代表で作家の大垣さなえさんも参加し、「戸別訪問では、住んでいるところと名前を明確に言うと警戒心を解いてくれる」などとアドバイス。「扉の向こうには署名を待っている人がいるから勇気を出して」とエールを送った。
◆「いらん」数で示せ
5月8日、南海堺東駅前。前堺市議の野村友昭さんが住民投票を呼びかけた。
「なぜ、治安を悪化させ、ギャンブル依存症の人を出すようなカジノをやらないといけないのか。そんなお金があれば教育や福祉や街づくりに使えばいい。人の不幸の上に成り立つギャンブルを自治体が税金を使って整備することを許してはいけない」と語りかけた野村さん。住民投票の意義についてこう訴えた。
「府民の巨額の税金がカジノに使われることを私たちは止めなければならない。ポイントは国の審査過程における『住民合意』です。住民合意がなければカジノを設置してはいけないと、国は定めています。私たちにできることは一人でも多くの署名を集めること。これだけの人たちが反対していることを国に示すことです」
集まった署名は5月25日から10日以内(6月6日まで)に各地域の選管へ提出することになっている。選管が署名の有効・無効を判断し、20日間の縦覧期間を設けて異議申し立てを受け付ける。
ちなみに、横浜市の住民投票では法定数を超える約22万筆の署名が集まったが、うち3万筆が無効とされた。そのため、「もとめる会」も20万筆を集めることを目標としている。証明された有効数を「もとめる会」事務局に報告し、総計が15万筆を超えれば議会に住民投票条例案が提出される。法定数が確定するのは7月初旬だという。
「カジノの是非は府民が決める 住民投票をもとめる会」(https://vosaka.net/)
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