北朝鮮北部の両江道(リャンガンド)の恵山(ヘサン)市で続いていた封鎖が、6月12日にほぼ1カ月ぶりに解除されたことが分かった。恵山市に住む複数の取材協力者が13日に伝えてきた。(カン・ジウォン)
金正恩政権は5月12日に新型コロナウイルスの感染者発生を認めて「国家最重大非常事件」を宣言、恵山市では2日後の14日から外出が一切禁止される都市封鎖が始まった。5月末から市内の一部地区で外出が許されるようになっていた。
協力者たちによれば、外出制限がなくなって公設市場も再開され、工場などの職場への出勤も始まったという。
「市場に出てみたが、食べ物以外は購入する人がほとんどおらず商売にならない。皆お金がないからだ」
協力者の一人はこう述べた。
市場の食糧価格が高騰している。13日の価格は白米が6800ウォン、トウモロコシは2900ウォンだった。コロナ感染を認める前の5月6日の調査では、白米5200ウォン、トウモロコシ2700ウォンであった(いずれも1キロ当たり)。
※1000ウォンは約17.7円。
また、「これから恵山市の住民は農村に総動員すると、当局の通告があった」と協力者は伝えた。
都市封鎖と住民の移動制限のため、都市住民の農作業への動員が遅れ、田植えや種まき作業に大きな支障が出ている。恵山市の封鎖解除は、当局が農村動員を急ぎたかったことが理由の一つだとみられる。
※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。