◆国主導の“抜け穴”で被害拡大か

同省は8月中に関係団体などにヒアリングを実施し、その結果をふまえて8月末に改めて議論する予定。そのうえで10月中には報告書をとりまとめる方針という。

2005年の石綿則制定から放置され続けた制度の不備の1つが20年近く経ってようやく最低限ながら是正されようとしているところで、国が自ら法の“抜け穴”を作ろうとしている。さらに石綿被害を増やそうというのか。

【国が提案した3分類の詳細】
(1)工作物を発電設備やボイラー、焼却設備など調査で新たに定める工作物専用の講習修了を必要とするもの(建築物とは構造や石綿含有材料が異なり、調査にあたり当該工作物に係る知識を必要とする工作物):2020年7月27日の厚労省告示第278号で事前調査結果の報告対象となる工作物として示した「石綿使用のおそれが高いもの」のうち、反応槽、加熱炉、ボイラー及び圧力容器、焼却設備、発電設備、変電設備、配電設備、送電設備

(2)配管設備や煙突、遮音壁など建築設備に含まれ、すでに講習が始まっている「建築物石綿含有建材調査者(調査者)」で対応可能なもの(建築設備にも含まれる工作物、主に建材が使用されている工作物、又は建材類似の工作物):2020年7月27日の厚労省告示第278号で事前調査結果の報告対象となる工作物として示した「石綿使用のおそれが高いもの」のうち、配管設備(配管と設備の区分けについては要検討)、煙突、貯蔵設備、トンネルの天井板、プラットホームの上家、遮音壁、軽量盛土保護パネル、鉄道の駅の地下式構造部分の壁及び天井

(3)上記以外の工作物:建築物以外のものであって、土地、建築物又は工作物に設置されているもの又は設置されていたもののうち、(1)及び(2)以外のもの。詳細は要検討

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