北朝鮮各地で秋の収穫が始まり、都市住民の協同農場への援農動員が本格化している。今年は動員者に対する統制管理が例年になく厳格な上、提供される食事の量が足りず、動員者たちの不満が強いという。北部両江道(リャンガンド)の取材協力者が、現状を9月21日に伝えてきた。(カン・ジウォン)
◆農村への住民動員徹底を当局指示
両江道の中心都市・恵山(ヘサン)市に住む協力者は、市内の労働者や住民たちは、周辺の三池淵(サムジヨン)郡と雲興(ウンフン)郡に集中的に動員されているとして、次のように状況を説明する。
「市内のすべての工場や企業で、出勤する人員以外の全員を農村に動員することになり、人民委員会(地方政府)が企業別に行き先の農場を指定して送り出している。今年は労働党幹部にも無条件に動員に参加しろと指示が出ている」
農村動員は春と秋の年2回行われる。朝に農場に出向いて夕方に帰宅する「通い型」と、農村で寝泊まりして作業する「合宿型」がある。職場の他、家庭の主婦は女性同盟で、大学生は青年同盟で組織して動員する。
両江道は山地が多くて水田が少ない。今の時期の作業は、ジャガイモ掘りと刈り入れ済みのトウモロコシの貯蔵や乾燥、脱穀作業などが中心だ。
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