◆監視・指導部局の問題も
問題はまだある。
横浜市では、条例で石綿を含む成形板などの除去においても、施工面積が1000平方メートルを超える場合、作業計画の届け出などを求めている。
届け出を受けた市大気・音環境課もまたこれらの計画上の不備に気づかないまま作業計画を受理していたことになる。
ボルトやナットがさびている場合の対応について記載がないのに改善もさせずに受理していたことに弁解の余地はないが、同課は大気環境規制などを所管しており廃棄物規制は担当外だ。そのため廃棄物の取り扱いについて見過ごしたことは仕方がない側面もある。
それでも市には条例や市独自の指導基準に適合していたかを確認する義務がある。大気部局は当然ながら廃棄物の保管など所管外の計画が適正かどうか判断できない。であれば、所管課に照会するなどして確認する必要があったのではないか。
しかし市産業廃棄物対策課によれば、もともと大気部局に提出された届け出や作業計画を確認する仕組みもなく、今回の件でも照会されていなかった。明らかに市における体制整備や制度運用に不備があるといわざるを得ない。せっかく条例を作っても十分機能させる仕組みや対応がなかったことになる。
市は発注元における計画のチェック機能や現場確認、監督・指導を担う環境・廃棄物部局における条例上の届け出受理における対応や運用について見直す必要があろう。
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